宮崎の四季より

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zoom RSS 大浪池伝説

<<   作成日時 : 2006/09/19 20:30   >>

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台風も過ぎ去った夜、一本の電話がありました。
「明日山登りに行きませんか?」
妻と子供に相談すると「いいよ」との返事。
「OKだよ!」
「やったー!」
少女のように弾んだ声で言う友人の友達でした。

麓は晴れていましたが、見上げる霧島の山には厚い雲がかかっていました。約束の時間を遅れること40分。ようやく到着。雨の上がるのをしばらく待って上り始めました。
石段は雨にぬれて滑りやすく、久々の歩きに息もあがりました。太ももは悲鳴をあげます。
友人二人と娘は先をいきます。妻と僕はうしろから・・・。ふらふらの僕をみて、妻が言います。「じいさんみたい」
「……人間は歩かなきゃだめになるな」
しみじみ思いました。田舎は都会の人より歩かないかも知れません。なぜなら、近くにコンビにもないようなところなので、移動は車です。歩く距離なんてしれているのです。
それよりも、自分がこんなに歩けなくなっていることに驚きました。
「こんなんじゃダメだ・・・」
息があがり、足が引きつったら休みました。雨にぬれる木々を見上げ「すごいなー」
しばらく休むと足が軽くなります。先を行く足取りをみて「追いつけない、俺にはむりだ」なんて思います。
それでも、休み休み上りました。夢中で歩いているうちに、服が汚れるとか体力が無くなったとか、先をどんどん行く人が凄いとか、どうでも良くなってきます。
自分のペースでゆっくりゆっくり歩く。
創作も同じだと思いました。歩き続けなくちゃ、書き続けなくちゃ。
たった、一時間弱の山登りでしたが、色んなことを考えました。
目的地の大浪池に着きました。ガスがかかり真っ白で何も見えません。シートにすわりおにぎりを食べました。ふと空を見ると宇宙が見えました。いや、空でしたが、ここは雲の中、そこに見える空は宇宙の青でした。雲の切れ間に奇跡のように青空が見えました。
数分後、ガスが一気に流れて、目の前に美しい池が現れました。太陽の光も差し込みます。
湖面は青く輝き池を取り囲む木々が鮮明に見えます。素晴らしかった。
大浪池には伝説が民話として残っていました。こんなところで、竜の伝説に出会えました。

霧島の山の麓の村に庄屋がおりました。夫婦は何の不自由もなく暮らしておりましたが、子宝に恵まれませんでした。そこで、山の神にお願いにいきました。
それから、しばらくして嫁は身ごもりました。やがて娘が産まれ『お浪』と名づけられ、なに不自由なく育ちました。その娘はとても美しく気品のある娘でした。人々は姫様の生まれ変わりだと噂するほどでした。
やがて、十八になり縁談の話がでるようになりました。親が縁談の話をするたびに娘は悲しそうな顔をしました。そして、いつしか病に伏してしまいました。
夫婦は医者や薬を取り寄せましたが、娘の病は一向によくなりませんでした。
ある日娘がいいました。「お山につれていって」
「そんな事はできない」と父親は言いましたが、娘はなんども父親に頼みました。
もう、薄暗くなった頃二つの影が山をのぼって行くのがみえました。娘と父親は山に入りました。やがて、池のほとりにたどり着きました。娘は目を輝かせ走り出しました。そして、池の中に身を投げました。父親はあっという間の出来事になにもすることができませんでした。
娘は竜神だったのでした。夫婦の願いをかなえるために娘となってうまれてきたのでした。
それから『お浪池』と呼ばれるようになり、今は『大浪池』とよばれるようになりました。
むかし、むかしの人々と神が心通じ合っていたころの伝説でした。

二十分ほどの奇跡の風景でした。あたり一面はまた、ガスにつつまれました。
台風直後に山に登り、歩くことの大切さと書くことへ思いを新たにして、思いがけず竜神の伝説にふれ、奇跡の風景をみた。そんな一日でした。

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